ねじの基礎知識

ねじの形状

基本的なねじの形状としては、 円筒や円錐の表面に螺旋状の溝を切ったものが「おねじ」、溝を円筒または円錐の内面に切った「めねじ」の形状があり、 通常これらが互いに組み合わされて使用されます。
また用途としては、部品同士を固定するために用いられる締結用途が一般的には多く使用されているでしょう。 その他に、旋盤など工作機械において台座などを移動させる部分に運動用として送りねじが使用されていたり、 測定物の長さを測るための測定機器に用いられる測定用としてもねじが使用されています。

ねじの日

1949(昭和24)年6月1日、日本工業規格(JIS)の基本法である工業標準化基本法(昭和24年法律第185号)が 制定されたことを記念するとともに、業界内において、その取り扱うねじ製品の社会的責任と義務についての 認識を深め、一般社会に対しても広く基礎部品としての貢献度をPRすることを目的に、 1951(昭和26)年に社団法人日本ねじ工業協会が6月1日を「ねじの日」に制定しました。

ねじの種類

工業分野においては、ねじ・ボルト・ナットなどの留め金具類を総称してファスナーといいます。 ファスナーは大きく分類すると、小ねじ、ボルト、ナット、 およびねじ関連部品として座金、リベット、ピンなどに大別されます。

小ねじ 比較的軸径の小さい頭付きのねじです。
頭部形状にはなべ、皿、丸皿などがあり、締付部の形状は(−)のすりわりと(+)の十字穴などがあります。
止めねじ ねじの先端部でものを固定・位置決めするなど機械部品の動きを制御するのに使用します。
先端の形状には、平先、丸先、とがり先、棒先、くぼみ先などがあり、 締付部の形状は、すりわり、六角穴、四角頭などがあります。

※頭の無い全ねじのことをいもねじといい、主に止めねじとして使用されています。 そのため止めねじは総称していもねじとも呼ばれることもあります。
タッピングねじ ねじ先に切れ刃形状を持ち、ねじ山を刻みながら締め込むことができるねじの総称です。
頭部形状は、なべ、皿、丸皿、六角などがあり、締付部の形状は、すりわり、十字穴などがあります。
木ねじ 木材に対して釘の代わりに用いられるねじです。
先を尖らせ、その最先端までねじ山が設けられており、木材にねじ込むのに適した形状をしています。
頭部形状は、なべ、皿、丸皿などがあり、締付部の形状は、すりわり、十字穴などがあります。
ボルト 一般にレンチなどを用いて締め付けられるねじで、ねじ先はとくに仕上げがなされておらず、 ナットと一対で使用することが多い。
締付部の形状の多くは六角です。
ナット ボルトにはめて間の部品を締め付けるのに用いるめねじの総称です。
形状は、一般には六角ナット、四角ナットなどですが、ねじ部が付き出ないようにする袋ナットや、 輸送用フックの取付が容易になるようにしたアイナット、 また手で締め付けしやすい形状の蝶ナットなど、様々な種類があります。
座金 小ねじ、ボルトやナットを締め付けるときに部材との間に入れる部品で、 ねじの緩み防止や部材の傷つき防止に用いられます。
また形状、機能、用途などによっていろいろな種類があります。
ピン ピンは、穴に差し込んで継ぎ手、位置決め、ねじの回り止めなどの目的に用いる棒状又は筒状の部品の総称です。
リベット 軸部がネジのない頭付きの部品です。締結物の穴に軸部を差し込み、軸端をかしめて継手とします。